学習障害とは、視覚、聴覚といった身体的には何ら問題がないのに、聞く、話す、読む、書くといった学習面にて著しく困難を示す障害のことをいいます。また、知的には遅れが基本的にない、もしくは少ないことも学習障害の特徴のひとつと言えるでしょう。学習面に対し、分かりづらい、理解が難しいなどの困難はあるものの、聞く、話す、読む、書くといったことが全くできないわけではないことがほとんどです。進学、進級も容易くではないですが、クリアすることはできます。近年では、成人して社会人になった際に周囲の人間から、指摘されるケースも多く見られるでしょう。

看護の面から、学習障害に多く関わるのは、精神科や精神病棟などの看護にあたる看護師です。学習障害は、知識がないとただの怠け者なのではないか、などといった誤解を招いてしまいかねません。間違った認識でケアしないためにも、看護にあたる人は専門的な知識を持って患者に接することが大事だといえるでしょう。

一口に学習障害といっても、さまざまなケースがあります。ディスレクシアといわれる読字障害、ディスグラフィアといわれる書字表出障害、ディスカリキュリアといわれる算数障害、この3つのケースに分けることができます。読字障害は読むことに対する困難、書字表出障害は文字を書くことに対する困難、算数障害は数字そのものに対しての困難があります。この3つのケースは、どれか1つだけ発症する場合もあれば、合併的に発症するケースもあります。ケースを把握しておくことによって、患者に対しての接し方、理解しやすい説明、かかわり方を事前に把握することができるため、看護の際に非常に有効です。